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釧路川再生による環境共生都市づくりの提案「はじめに」

 こんにちは、釧路シャケの会です。
 今回私たち釧路シャケの会では、「釧路川の再生による、新しいかたちの街づくり」を目指して行動を起こすべく、この要望書をまとめ、関係団体等に提案いたしました。
 今後は、賛同の輪を広げるとともに、この趣旨の具体的な働きかけを関係各所に行なってゆく予定です。

 以下はその要望書の概略ですが、ブログ読者のみなさまもぜひご一読頂き、私たちの行動にご賛同・ご支援くだされば幸いです。
 なお、ご意見・コメントなどございましたら、是非どしどし投稿頂きたいと思います。

釧路川再生による環境共生都市づくりの提案
はじめに
 「釧路」という固有の立地条件が与えられているこの風土で、私たち並びに子、孫がこの地でどう生きて行くのか。 「釧路」が全国に誇れる貴重な財産とは、未だ人の手によって毀損されていない「豊かな自然」です。

 私たちの住む釧路支庁は、全面積のおよそ23%が国・公立公園などの環境保全地区として指定された、国内最高水準を誇る自然環境モデル地域です。

 さらには、一級河川といわれる109水系のなかで、源流部から河口部まで障害物が無い川は、いまや唯一、釧路川だけです。

 そこで私たちは、その「豊かな自然」との繋がりを強く意識しながら、街創りを行ないたいと考えました。

 街なかに「豊かな自然」を呼び込み、いわゆる循環型社会の仕組みを街づくりに取り入れる事。そして、それを核として過疎化・空洞化が進行しつつある地域の活性化を行なう事。

 それによって初めて、人と自然との本来在るべき調和、21世紀型の地域コミュニティの在り方が実現できるものと確信しております。

釧路川再生による環境共生都市づくりの提案
0.はじめに
1.目的
2.計画の概要
3.懸念される問題点と、その対応
4.私たちが目指すもの
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by wakan55 | 2009-12-25 12:04 | 釧路川再生による都市づくり  

I.目 的

1. 街なかに湿原の豊かな自然を呼び込み、人と自然との共生を目指した、循環型地域コミュニティ創りを行なう
 釧路湿原の自然環境は、私たち地域住民のみならず人類にとっても大変貴重な財産です。しかし、当時の治水事業のため昭和6年に釧路川下流部に設置された岩保木水門により釧路川下流域は、本来の釧路川の自然環境とは隔絶された状態にあります。

 そこで、設置以来閉ざされたままの岩保木水門を開放し、釧路川下流域に釧路川の命ゆたかな水の流れを呼び込めば、中心市街地の川がよみがえり、河畔林が形成され、まさに駅から北大通り、釧路川、岩保木水門を経由し、街と湿原を結ぶ緑の回廊が出来上がることになります。

 これを核として、人と自然が溶け合った、21世紀型の「循環と共生のまちづくり」を、全国に先駆け、実践することができます。


2. 環境共生都市「釧路」をシンボルに、環境事業を主体とした地域の活性化を行なう
 「環境と共生する都市」を街づくりのグランド・デザインに置き、過疎化・空洞化した北大通り周辺の中心街から、旭橋〜久寿里橋〜JR鉄橋〜運動公園までの流域エリアを環境文化体験地区として活性化します。

 そこに地域住民が集い、寛ぎ、命あふれる生活を享受する。
 人は、何か人のにおいのするものがなければ集まりません。それも楽しげに寛いだ住民活動のあるところに。

 この計画は、ハードウェア(=施設・箱モノ)に依存した街の活性化ではなく、ソフトウェア(=地域住民の繋がり)による街の活性化を図り、同時に、太陽光/熱発電などの再生可能エネルギーやバイオトイレなど現在の日本が持っているエコパワーを新しい釧路の街づくりに導入することで、コンパクト・エコシティーのモデルづくりを目指すものであります。

釧路川再生による環境共生都市づくりの提案
0.はじめに
1.目的
2.計画の概要
3.懸念される問題点と、その対応
4.私たちが目指すもの
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by wakan55 | 2009-12-25 12:02 | 釧路川再生による都市づくり  

II.計画の概要

1. 釧路川下流域について
○ 歴 史
 本来の釧路川は釧路市街を流れ、釧路港で海に注いでいた。そのため、ひとたび洪水が
起きると釧路市街は大きな被害を受け、港湾は川によってもたらされる土砂に悩まされるこ
とになった。特に1920年8月の洪水の被害は大きく、釧路市街は一週間以上も水没する
結果となった。

 その治水対策として、翌年から阿寒川の付け替えや、放水路としての新釧路川の開削を
はじめとする大規模な河川改修が行われ、1931年に新たに本流となった新釧路川と旧流路
との分岐点に岩保木水門が設けられた。

旧水門:1931年に設置された初代の水門で、上部構造物が木造であり、現在は、老朽化のため運用を停止し、水門としては機能していない。
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新水門:旧水門の老朽化にともない、1985年に着工、1990年に竣工した。現在も運用中。
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 もともとは釧路川(旧流路)を使った木材の運搬に利用する目的で水門として建設されたが、同時期に釧網線(現在の釧網本線)が開業し、木材輸送は鉄道によって行われたため、岩保木水門は1931年の完成以来、今日に至るまで一度も開けられた事がない。

○ 現 在
 このため、分岐点付近の川底は干上がり、旧流路である釧路川の流れも止まっている。

 しかし、岩保木水門から下流域の釧路川は、原始河川の蛇行の形状を現在も保っており、植生も上流の湿原特別区とは違った低層湿原の様相を提示している。

 かつては、〈釧路川〉〈雪裡川〉〈阿寒川〉という3本の大型河川が現在の運動公園及び古川町付近で合流し、市街地への度重なる洪水被害を引き起こしていたが、大正9年の洪水の折に阿寒川は大楽毛を流れる独立河川となり、また雪裡川は新釧路川の掘削によって岩保木水門より下流の地点で新釧路川に合流し、現在は釧路川への流入は無い。

 したがって、治水の観点からみると、現在の河川の状況は、水門を開放してもかつてのよう
な洪水被害の心配は無い地形になっていることが分かる。
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2. 計画のロードマップ
1.釧路川評議会の設立
 平成9年に改正された河川法で、河川環境については地域住民の意見を聞くことが義務付けられたが、現時点(平成21年現在)では、釧路川のあり方に関して現在組織化されているものは4者協議会 (国交省開発建設部、北海道土木現業所、釧路町、釧路市)だけであり、これでは地域住民の意見を取り入れるという法的要件を満たしていない。

 従って計画の第一段階として、「釧路川評議会」を、この4者に地域住民を加えた形で新たに設立する。住民代表は、公募制によって選任するものとする。

 この「釧路川評議会」を、これからの釧路川と地域住民との永続性のある関わり方を議論する場として位置付ける。

2.客観的な事前調査実施による水門開放の是非の評価
 釧路川評議会において釧路川と地域住民とのあり方を討議してゆくなかで、岩保木水門の開放の是非を主要議題のひとつとして位置付ける。

 その上で、公的な研究・調査機関による、客観的な現地調査を実施し、水門開放による流域周辺環境への影響や、どの程度の流量なら問題がないのか、などについての是非を公平に評価、試験開放へ向けての計画を策定する。

3.岩保木水門の試験開放とその評価
 事前調査の結論に基づいて岩保木水門を1年間程度試験解放し、流域への影響やヘドロ流出の問題など、その結果を事前調査の評価と併せて検討する。その結果を基に、水門開放及び河川整備などの具体的な事業計画を策定する。

4.岩保木水門の開放実施と河岸の整備
 岩保木水門を本格開放し、水門から釧路川河口部までの釧路川下流域を3つのテーマ・ゾーンに分けて河川整備を行なう。

○「いのちのゾーン」=Aゾーン(水門から釧路町運動公園まで)
原始河川の蛇行がそのままの状態で残っていることを踏まえ、自然河畔林を保全し、フットパスなどの自然散策路を整備する。これを貴重な環境観光資源として活用する。
また、岩保木水門駅(後述)を新たに設置し、利用者に交通の便宜を図る施策も検討する。

○「触れあいのゾーン」=Bゾーン(釧路町運動公園からJR鉄橋まで)
「環境文化体験ゾーン」として、幼児から高齢者まで釣りや潮干狩り(JR鉄橋上流左岸部の釧路川干潟)などが安全に楽しめる場所に整備する。生活の間近に自然が感じられることで自然に親近感を持ち、住民と自然による持続的な循環が期待できるような環境作りを行う。

○「集いのゾーン」=Cゾーン(JR鉄橋からMooエプロンまで)
河口部(幣舞橋近辺)は河岸整備が既に相当進んでいるため、この区域は、散策やショッピング・ゾーン、イベント会場として利用するなど、住民が集い、憩う場として活用する。

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釧路川再生による環境共生都市づくりの提案
0.はじめに
1.目的
2.計画の概要
3.懸念される問題点と、その対応
4.私たちが目指すもの
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by wakan55 | 2009-12-25 12:01 | 釧路川再生による都市づくり  

III.懸念される問題点と、その対応

 本提案書で私たちが主張している「岩保木水門の開放」とは、水門を直ちに100%オープンにすることではなく、釧路川下流域や新釧路川への影響を十分考慮した、水門の部分開放である点を先ず明確にしておきたい。

 それによって、現在の地域環境への負荷を押さえつつ、釧路川を蘇らせ、地域住民のために有効活用する施策の実現が基本認識となっている。

 北海道土木現業所の研究結果によると、「釧路川に流れる水量が、新丹頂橋地点で毎秒5t程度であれば、新釧路川や釧路川の河床への影響は起こらない」とされている。

 私たちは、この調査データを出発点にして議論を進めて行きたいと考えている。

以下は、今まで議論され指摘されてきた懸念点と、その対応策です。

1.洪水被害など、治水問題の懸念
前節で述べたように、地勢的には洪水被害の懸念がほぼ無い地形になっているが、更に水門を通過する水の流量をコントロールし最適化することで、万全の安全性が確保出来ると考える。

2.新釧路川の水位低下による、愛国浄水場への利水面の影響
上記同様、愛国浄水場での取水に影響を及ぼすほどの水量を釧路川へ流す訳ではないため、利水面の影響は無いと言える。

3.釧路川下流域に堆積したヘドロの流失による、河川環境の悪化、港湾汚染
土木現業所の研究結果より、新丹頂橋地点で毎秒5t程度の流量であれば釧路川下流域の河床に影響は無いとされるが、更に、試験解放の実施と結果のフィードバックにより、万全の対策を採る事が可能と考える。

4.新釧路川の水位低下による、シシャモ漁など漁業への影響
毎秒5t程度の流量であれば新釧路川の水位低下の懸念は無く、漁業への影響も避けられると考える。同様に、試験解放の実施と結果のフィードバックで、万全の対策を採る事が可能と考える。

5.新釧路川の水位低下に伴う、湿原の乾燥化及び湿地面積の縮小の懸念
岩保木水門のある辺りは湿原のほぼ南端に位置し、湿原を流れる、水門より上流の釧路川の水位とは全く関連のない問題である。

釧路川再生による環境共生都市づくりの提案
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1.目的
2.計画の概要
3.懸念される問題点と、その対応
4.私たちが目指すもの
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by wakan55 | 2009-12-25 11:51 | 釧路川再生による都市づくり  

IV.私たちが目指すもの

1. 循環と共生の街創り
 私たちは、釧路川をいのちのある川に再生することを柱にして、個性があり、活気に満ち溢れ、魅力のある街創りを目指します。
 そして、釧路のすばらしい自然環境を大切にしながら、自然と共生し、仲間と共生し、住民が活き活きとした生活を享受できる、新しい街創りの在り方を提示します。


2.地域活性化の具体的施策例
 私たちの構想する活性化案の基本は、釧路川下流域を人と自然が溶け合ったそしてそこを住民の交流の場として整備し、人が集う環境を創りだすという趣旨をもとに、環境文化体験都市としての釧路の街創りを行なう事にあります。

 以下は、「こうなれば、こんなことも出来る、あんなことも出来る」という、釧路川が再生されることで初めて可能となる、地域活性化案の具体例です。

-カヌー体験事業-
 釧路川下流域全体でのカヌー下り体験(水門〜河口部)事業。
 原始河川の蛇行の形状を保っている釧路川を3時間も下れば、久寿里橋、幣舞橋のかかる釧路市街地に入ってくる。そこは夜ともなると街の明かりが輝く釧路の繁華街―末広町、栄恵町の岸辺になる。
 この、20万都市の街中で原始河川の蛇行が現役で残っているというロケーションを活かして、自然と親しむ機会を提供する「環境体験観光事業」を展開する。
 通行権は、住民が共有財産として取得し、河川保全・管理活動などの資金源とする。

-自然体験ゾーンの活用-
 Aゾーン全体を保全管理し、散策路・遊歩道などのフットパスを整備する。
このエリアは、「市民の間近にある自然体験ゾーン」として、青少年を中心とした環境教育実践の場としても活用する。

-岩保木水門駅(仮称)の設置-
 釧網本線に岩保木水門駅を設置し、水門付近の自然河畔林などを訪れる利用者のために、交通の便宜を図る。
 また、釧路川下流域でのカヌー下り体験をサポートする事業として、ノロッコ号を活用したカヌーの輸送(釧路駅→岩保木水門駅)を行なう。  (例:水門〜幣舞橋までカヌー下り→幣舞橋で下船→カヌーを幣舞橋から釧路駅まで車で輸送→ノロッコ号で岩保木水門駅まで輸送、同時に利用者も乗車→岩保木水門駅でカヌーと共に下車し、釧路川カヌー下りを体験)
 それによって、ノロッコ号利用の更なる活性化を図る。

-岩保木水門公園(仮称)の造成-
 岩保木水門公園を造成し、湿原ミュージアム・センターや野外体験施設などを併設して、Aゾーンにおける住民の活動拠点とする。
・ 湿原ミュージアム・センターの設置(環境学習・休憩施設)
・ 野外キャンプ場の設置
・ カヌー・ステーションの設置(待機・休憩施設)
・ 溯河性魚類の遡上を可能にする設備(魚道)の設置

-つり体験事業-
 釧路川での魚釣りや、釧路川干潟での潮干狩りなど、季節ごとの魚釣りが楽しめるように、Bゾーンの河岸整備を行なう。
 なお、現在釧路川の漁業権は設定されていないが、これを住民の共有財産として住民が取得・管理し、河川保全活動などの資金源とする。

-中心街の活性化-
 Cゾーンは、散策、ショッピング・ゾーン、イベント・ゾーンとして利用する。
 インターロッキングできれいになったリバーサイドの両岸に、ドングリ、くるみ、浜茄子山葡萄、姫りんご、グスベリなどこの地に活着しやすい実のなる木を植樹し、「綺麗プラス寛ぎ」を感じさせる川岸にする。
 同時に、北大通りのセンターゾーンや両側の歩道にも大きめの植樹帯を設置して枝の張る樹を駅から幣舞橋まで植える。両隣の枝が重なるように成長すれば、駅から北大通り、釧路川、岩保木水門を経由し、街と湿原を結ぶ緑の回廊が出来ることになる。
 川岸には、川辺にふさわしい、小じゃれたテント・ショップやコンテナ・ショップ(コンテナを利用した、屋台形式の店舗)などを設営し、ラーメン・炉端焼などの屋台飲食店、かつての釧路市中にたくさんあった、リヤカーによる海産物や野菜の販売、絵葉書、菓子、その他土産屋などの店を並べ、人のにぎわう場所にする。
 また、併せてここに太陽光/熱発電、LED照明、バイオトイレなど現在の日本が持っているエコ技術を導入することで、コンパクト・エコシティー(循環型社会)のモデルとして全国から注目を集められる可能性もある。

釧路川再生による環境共生都市づくりの提案
0.はじめに
1.目的
2.計画の概要
3.懸念される問題点と、その対応
4.私たちが目指すもの
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by wakan55 | 2009-12-25 11:49 | 釧路川再生による都市づくり